こんにちは。ひとつなぎ株式会社の伊藤です。
今回は、私の歩んできた道のりと、「ひとつなぎ」に込めた想いをお話しさせてください。
私たちの会社が大切にしているのは「やさしいひとつなぎ」というコンセプトです。やさしさあふれる関係を大切にし、笑顔に満ちた暮らしを目指して、人、自然とのつながりを築いていきたいと思っています。
例えば、沖縄の自然の中でゆっくりと過ごす時間、アロマの香りに包まれてほっとする瞬間、仲間と一緒に自然を楽しむ体験。そんな心温まるつながりの時間を、一人でも多くの方にお届けしたい。このような体験こそが、私たちのミッション「自然と人をやさしさでつなぎ、お客様の心豊かな暮らしに貢献する」の形です。
日々の取り組みの中で、「自然と笑顔に溢れた社会に貢献する」というビジョンを胸に、より良い社会づくりを進めています。その想いを形にしていくため、現在、3つの事業を展開しているところです。
1つ目は「オキナワアロマペタルーナ」。沖縄の自然の恵みを活かした、オーガニックな香りとスキンケア製品をお届けしています。専門スタッフが、一人ひとりのお客様に寄り添い、心を込めて香りを調合させていただきます。沖縄県産ハーブを使った自慢の製品も取り揃え、アロマセラピーの講座やワークショップも開催しています。セルフケアを通じて、心と体をリフレッシュしていただきながら、沖縄の魅力も一緒にお伝えできたらと思っています。
2つ目が「アソビバワークス」。沖縄でキャンピングカーのレンタルを行っているのですが、コンセプトは「すべてを遊びに」。子どもの頃の秘密基地みたいなワクワク感いっぱいの内装で、キャンプ用品も調理器具も揃えているため、手ぶらで気軽に旅に出ることができます。子どもも大人も一緒になって、沖縄の自然を思いっきり楽しめる冒険の旅。それを私たちが全力でサポートさせていただいています。
そして、アソビバワークスでは研修事業も展開しています。沖縄の自然を存分に活かして、チームごとの課題やニーズに合わせた研修を行うのが特徴です。ビーチオリンピックや謎解きチームビルディング、琉球楽器の演奏など、楽しいアクティビティも盛りだくさん。また沖縄の大自然の中で少人数で行うリトリート合宿では自己理解と相互理解を深めるプログラムも提供しています。チームの絆が深まっていく様子を見られるのが、私たちの何よりの喜びです。
ルーツはオーストラリア、休日は自然の中で
私の10代は、ほとんどをオーストラリアで過ごしました。先代の父の夢であった家族での海外移住がきっかけだったのですが、この異国での生活は、私の人生の大きなターニングポイントとなりました。
そこで感じたのは、オーストラリアは、本当にカラフルな国だということ。いろんな人種や文化が溶け合い、にぎやかに共存しています。そこで過ごすだけで、毎日が新しい発見の連続でした。日本では出会えないような人たちと触れ合う中で、「人と人とのつながり」の大切さを感じるようになりましたね。
また、オーストラリアでの暮らしは、日本とは全く違う魅力に溢れていました。週末になると家族でキャンピングカーに乗って、海や山へ出かけるのが当たり前の文化なんです。自然が生活の一部になっているこの環境で、「人と自然のつながり」を肌で感じながら、豊かに生きることの意味を学んでいきました。
今改めて振り返ると、あの頃のオーストラリアでの体験が、今の事業の原点になっていることを実感します。人と自然と一緒に生きる豊かさを、たくさんの人に伝えたい。そんな想いが、今の私を支えています。
【オーストラリアの時の写真】
社会人の道から沖縄への移住、経営の道へ
オーストラリアから日本に戻って、一般企業に就職したのですが、これがまた驚きの連続でした。
入社したばかりの頃は、漢字の読み書きに四苦八苦したり、夜遅くまでの飲み会文化にびっくりしたり。朝早くから夜遅くまでの働き方には、最初は戸惑うことばかりでした。社会人2年目には、仕事のプレッシャーも重なって、心が折れそうになる時期もあって。
でも、素晴らしい上司や同僚に恵まれて、なんとかその時期を乗り越えることができました。振り返ると、あの5年間は、日本の文化や習慣を学べた、かけがえのない時間だったと思います。日本ならではの働き方や人とのつながりも、少しずつ理解できるようになっていきました。そうした経験の一つひとつが、私の価値観や視野を広げてくれて、今でも大切な財産になっています。
そんな中、結婚をきっかけに、母の故郷である沖縄への移住を考えるようになりました。子どもの頃から毎年訪れていた沖縄でしたが、世界20カ国以上を旅して、改めてその魅力に気づかされ、それが移住を決める大きな後押しとなりました。
家業を継いだ後の試行錯誤、ビジョン形成
沖縄に移住すると同時に、家業の会社に入社して、後継者として経営を学び始めました。そこで初めて、これまで気づかなかった課題がたくさん見えてきました。
特に月末の支払いにはいつも頭を悩ませていました。経営を学びながらの会社運営は、本当に手探りの日々。でも、一つひとつ試行錯誤を重ねて、人事評価制度を導入したり、経営の仕組みを見直したりしていく中で、大きな気づきがありました。それは、会社は利益だけを追求する場所ではないということ。大切なのは、人や社会にどう貢献できるのか。そんな想いが、今の企業理念の根っこになっています。
その想いを胸に、改めて沖縄という場所を見つめ直してみると、この島が持つ可能性の大きさを実感することができました。豊かな自然と、温かい人々、そして深い文化。この魅力をもっと多くの人に知ってほしいと強く感じるようになりました。特に海外の方々に向けて発信していけたらと。というのも、まだまだ沖縄の認知度は低く、戦争のイメージが強く残っているのが現状です。そんな固定観念を超えて、新しい沖縄の姿を伝えていきたいという想いがあります。
だからこそ今、3つの事業を通じて、「沖縄の素晴らしさをもっと多くの人に知ってほしい」という想いの実現に全力で取り組んでいます。十数年の経営は確かに困難の連続でしたが、少しずつ成果が見え始める瞬間が、大きな励みになっています。
【承継時の写真】
沖縄と世界、互いの価値や文化を循環させる
「沖縄の素晴らしさをもっと多くの人に知ってほしい」という想いの他に、心に強く持っているもう一つの願いがあります。それは、「海外で当たり前のアウトドア文化を、日本でも広めていきたい」ということです。
これらの想いを実現するため、私たちは沖縄の豊かな自然や、この地にしかない文化を通じて、国内外のお客様に存分に楽しんでいただき、心の奥からホッとできる体験をお届けしたいと考えています。そして、その体験を通じて、自然と人との新しいつながりが生まれていったら、こんなに嬉しいことはありません。
この想いは、アソビバワークスの事業にも表れています。私たちは、ただキャンピングカーを貸し出すだけではなく、沖縄の魅力を存分に感じていただけるよう「沖縄の楽しみ方」まで一緒に考えさせていただいています。特に海外からいらっしゃるお客様は、「どこに行こう?」「何をしよう?」と迷われることが多いです。そんな時は、沖縄ならではの過ごし方や、地元だからこそ知っているとっておきの場所を、想いを込めてご紹介させていただいています。
また、こうした取り組みを続けていく中で、日本ならではの課題も見えてきました。海外では、自然の中で過ごすことやアウトドアを楽しむことが、日常の一部となっています。でも今の日本では、デジタル機器を見て過ごす時間が増えて、自然と触れ合う機会がどんどん減ってきている。そんな課題を、日々感じる機会が増えています。
だからこそ、キャンプやアウトドアには、この課題を解決できる大きな可能性があると信じています。デジタル機器から少し離れて、自然の中で過ごすだけで、不思議と本音の会話が生まれてくる。沖縄の自然に包まれて、心がスーッとほぐれていく。そんな瞬間を、たくさんのお客様に体験してほしいと思っています。
そして、私たちが目指しているのは、ただ自然の中で過ごすことだけではありません。その体験を通じて、人と人、人と自然のつながりを感じてほしい。沖縄の海や山、川に触れながら、この土地の美しさや文化をもっと深く感じてほしい。そこから自然と心が通じ合える、そんな特別な時間をお届けしたいと思っています。
優しさの循環と、ひとつなぎのこれから
私たちがこの活動を続けられているのは、たくさんの方に支えられ、困難な時期に助けの手を差し伸べてもらったからです。その経験から、私たちの事業でも「やさしさの連鎖」を広げていきたいと強く思うようになりました。
このような想いを形にするため、私たちは様々な取り組みを行っています。例えば、利益の一部を自然保護団体に還元したり、保育園連盟と提携して地域の子供たちにも触れてもらえる商品をお届けしたり。一つひとつは小さな取り組みかもしれませんが、地域への貢献を大切にしています。
私たちの社名「ひとつなぎ」には、「人と人」「人と自然」が繋がり合うことで、心豊かで優しい社会を実現したいという想いが込められています。このビジョンをもっと多くの方に知っていただき、沖縄から始まる「やさしさの連鎖」を、日本全体、そして世界へと広げていきたいと願っています。
そして、私たちの日々の取り組みを通して、人と自然の繋がりを感じ、日常の中にある「心の豊かさ」を感じていただける瞬間が少しずつでも増えていくこと。それが、私たち「ひとつなぎ」の目指す未来です。