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2025.01.28

やさしいひとつなぎ、ヨーロッパの人々が教えてくれた自然との向き合い方

こんにちは。ひとつなぎ株式会社の伊藤です。

前回は、オーストラリアでの経験から学んだ「自然との共生」や「多様な価値観の受容」について、そしてそれらを活かした沖縄での事業展開についてお話ししました。その際にお伝えした「自然と笑顔に溢れた社会を目指して」という想いを、今日は違う角度からお話しさせていただきます。

今回は、その想いを形にする中で、ヨーロッパからのお客様との出会いから見えてきた新しい可能性と、私たちの取り組みについてお伝えしたいと思います。

ヨーロッパからのお客様は、不便さやアクシデントを楽しむ素養があり、雨でもその状況をポジティブに楽しみます。そのような姿勢との出会いは、私たちの事業に新しい可能性を見せてくれました。本日は、そこから見えてきた沖縄観光の新しい形と、私たちの取り組みについてお話しさせていただきます。

予想を超えた出会いから広がる可能性

私たちの事業において、大きな転機となったのは、予想を超えるインバウンド(訪日外国人観光客)需要との出会いでした。

当初、キャンピングカーのレンタル事業「アソビバワークス」は、沖縄県内及び日本国内の方々に向けたサービスとしてスタートしました。ところが、気がつけば今では、お客様の7割がインバウンドという状況になっています。さらに興味深いことに、そのうちの3割がヨーロッパからいらっしゃるお客様なのです。

これは円安の影響も追い風となり、予想以上の広がりを見せています。私たちもこの変化に応えて、海外のお客様向けのサービス強化に取り組んでいるところです。

そんな中で印象的なのが、ヨーロッパからのお客様の旅を楽しむ姿勢です。「モノ」よりも「コト」にお金をかける傾向が強く、体験や自然、アクティビティを心から楽しまれています。沖縄の四季の変化や美しい海との出会いを求めて、長期間滞在される方も多くいらっしゃいます。

こうした旅の過ごし方に触れる中で、私たちのサービスも自然と変化してきました。沖縄の観光資源や世界遺産の魅力を、より深く、より豊かな形で伝えていけないか。そんな想いで、新しい旅の楽しみ方を提案しています。

参考:TBS NEWS DIG「東京・京都大阪の次”へ動き始めたインバウンド 沖縄が一気に前年の5倍に… 「欧・米・豪」から見た沖縄旅行の魅力とは」

雨の日さえも楽しむ、自然との新しい関係

欧米(ヨーロッパ、豪州、アメリカ)からのお客様との出会いは、自然との向き合い方について、私たちに新しい視点を教えてくれました。

彼らの特徴は、不便さも楽しめること。雨が降っても、その状況をポジティブに受け止め、雨の音や匂いまでも旅の一部として楽しんでいます。

多くの日本人旅行者であれば予定変更を考えるような状況でも、その瞬間を楽しむ姿勢を持っているのです。そこには、細かいことを気にしない、ポジティブな価値観が表れています。実際、彼らの幸福度の高さは、そのような余裕を生んでいるのかもしれません。

また、自然や環境に対する彼らの姿勢からは、いつも学ばされます。キャンプの際も、ゴミを極力出さない工夫を実践しています。このような環境に配慮したキャンプスタイルとの出会いは、私たちも改めて自然との向き合い方を考えるきっかけとなっています。

このような彼らの姿勢は、私たちに沖縄の新しい魅力も教えてくれました。世界遺産や観光資源を活かした新しい体験の提案も、彼らとの出会いがきっかけとなったのです。

私たちが当たり前だと思っていた沖縄の自然が、実は特別な価値を持っているということ。それは、ヨーロッパからの観光客との交流を通じて、改めて気づかされた発見でした。

時間の使い方が教えてくれた豊かさ

私たちがヨーロッパのお客様から学んだもう一つの大切な気づきは、時間の使い方についてです。

ヨーロッパからお越しになるお客様を見ていて驚くのが、1ヶ月まるごと沖縄で過ごされることです。これは、年に数回、数ヶ月の長期休暇を楽しみにしているという、仕事に対する考え方の違いが背景にあります。

その過ごし方もユニークです。特に印象に残っているのが、クリエイターやデザイナーの方々の働き方。昼は沖縄の自然を満喫し、夕暮れ後はパソコンに向かう。そんな自由な時間の使い方で、仕事と遊びを両立されています。

このような働き方を可能にしているのが、彼らの仕事の進め方です。チームで仕事をする文化が根付いており、業務を一人で抱え込まず、二人で一つの仕事をこなすという働き方です。このような仕事の分かち合いがあるからこそ、長期の休暇取得も可能になっているのでしょう。

この働き方に魅力を感じながらも、日本ではワーケーションが定着しなかったという課題があります。そこで私たちは、コワーキングスペースとの連携や、キャンピングカーを安く借りられるキャンペーンを企画するなど、そのハードルを下げる取り組みを進めています。

さらに滞在期間を長くするための施策も検討しているところです。ワーケーションに興味を持つ方が、その一歩を踏み出しやすい環境づくりを目指して試行錯誤を続けていきます。

移動型リゾートが創る沖縄の新しい魅力

ワーケーションという新しい働き方のニーズに応えるため、私たちはキャンピングカーという選択肢をお届けしています。実は、このスタイルは欧米の方々にとって馴染み深いものなのです。欧米では車で国境を渡ることが多く、バントリップの文化が根付いているためです。実際に、沖縄でもキャンピングカー需要が高まっています。

特に仕事と旅を両立したいというニーズが増えており、私たちのキャンピングカーには、机、電源、Wi-Fiを完備しています。これにより、ホテルと移動を一体化した、最高の移動オフィスとして活用いただけます。仕事にも遊びにも本気になれる環境を提供できることが、アソビバワークスの魅力になります。

このような移動の自由さは、沖縄の観光課題の解決にも繋がっています。現在、オーバーツーリズムの問題がありますが、その解決策として、やんばるや国頭など、新しい観光スポットの開拓を進めています。

ただ、キャンピングカーをどこに停めていいのか、どこに行けばいいのか悩むお客様が多いため、駐車場所や観光スポットの情報提供にも力を入れています。

このように、キャンピングカーを通じて沖縄の新しい魅力を引き出し、より多くの方に知っていただくための取り組みを模索する日々です。

言葉の壁を越えて広がるおもてなし

沖縄を堪能していただくため、言語面でのサポートにも注力しています。増加する海外からのお客様に対応できるよう、多言語でのサポート体制を整えています。

現在、日本語、英語、スペイン語を話せるスタッフが在籍しており、予約から観光案内まで一貫したサポートを提供しています。特に、英語が通じない電話予約のお手伝いは、多くのお客様に喜んでいただいているサービスです。

このような言語面でのサポートに加えて、私たちは季節ごとの対応も工夫しています。特に冬季は、海外からの観光客が減少する傾向にあります。海外の方は冬はスキーに行くことが多いためです。この課題に対して、冬季の観光対策や、長期滞在を促す施策を展開しています。

そして、一度ご利用いただいたお客様に再び沖縄を訪れていただけるよう、リピーターづくりの取り組みも進めています。沖縄を何泊で回ったらいいか、どういう趣味嗜好があるかなど、お客様一人ひとりに合わせた提案を心がけています。

このような取り組みを通じて、異なる文化や習慣を持つ方々との架け橋となれるよう、日々サービスの向上に努めています。一人ひとりのお客様に寄り添いながら、より深く沖縄を楽しんでいただける環境づくりを目指していきたいと思います。

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